経営・組織づくり

中小企業のKPI設計コンサルとは?
経営判断に使える指標と相談先の選び方

2026年6月22日 約19分で読めます AI経営革新株式会社
経営会議で数字やレポートを確認しながら次の行動を話し合っているイメージ

中小企業の経営者のなかには、売上目標を立てているものの、目標達成のために日々どの数字を確認すべきか分からない方もいるのではないでしょうか。月末に売上実績を確認してから未達に気付いても、当月中に行える対策は限られます。進行中の案件・見積後の対応・予定粗利など、結果へ至る途中の状態を確認できれば、問題を早めに発見し、次の行動を決めやすくなります。

そのために利用されるのがKPIです。ただし、測定できる数字を増やせば経営が改善するわけではありません。入力や集計の負担だけが増え、会議で数字を読み上げるだけになることもあります。大切なのは、現在の経営課題から必要な指標を少数選び、誰が・いつ確認し・どのような行動へつなげるかを決めることです。この記事では、起こりやすい失敗・相談できる内容・支援先の選び方・数字を経営判断に活用する運用方法を解説します。

中小企業にKPIが必要な理由

まず、なぜ売上目標だけでは不十分なのかを整理します。多くは結果が出てからでは対策が間に合わないことに関わります。

理由 01

売上結果だけでは対策が遅れる

売上は過去の活動の結果です。不足が分かった時点で見積や商談が十分になければ短期間で取り戻すのは困難です。結果へつながる途中の状態を確認します。

理由 02

担当者の感覚だけで進捗を判断している

「今月は大丈夫そう」だけでは根拠を確認できません。受注確度や売上予定は予測ですが、共通の判断基準と更新日を設ければ経営判断の材料になります。

理由 03

会議が数字の報告だけで終わっている

売上や案件数を読み上げるだけでは次に何を変えるか決まりません。KPIは目標との差の原因と次の行動を話し合うために使います。

理由 04

部門ごとに目標の捉え方が異なる

経営者は粗利を重視、営業は売上だけ、と判断基準が異なることがあります。最終目標と各部門の関わり方を整理します。

理由 05

改善活動の効果を確認できない

仕組みを導入しても、導入前の状態を記録していなければ作業時間やミスが改善したか判断できません。

理由 06

経営者が現場の停滞に気付けない

案件や納期確認が担当者の中だけに残ると、顧客へ影響するまで気付けません。対応待ち件数や期限超過など早めに支援できる指標を検討します。

案件や粗利などの数字をダッシュボードで確認しているイメージ

結果(売上)だけでなく、案件・見積後の対応・予定粗利など途中の状態を確認する

KGI・KPI・行動目標の違い

KPIを考える前に、最終成果(KGI)・途中の指標(KPI)・実際の活動(行動目標)の関係を整理します。

KGI

最終的に達成したい成果

売上・粗利・利益などが例です。会社の経営課題によって、何を最終成果とするかは異なります

KPI

KGIへ至る途中の状態を確認する指標

粗利目標のために案件数・見積提出後の対応・予定粗利などを確認します。実際に成果と関係するかは自社の業務を確認して判断します。

行動目標

担当者が実際に行う活動

顧客への連絡・見積後のフォロー・商品情報の更新など。行動量だけを増やしても成果につながるとは限りません

KPIを設定する前に整理すること

指標を選ぶ前に、課題・目標・プロセス・データ・判断者を整理します。

解決したい経営課題

売上不足・粗利低下・対応遅れ・業務の属人化など、現在何に困っているかを明確にします。

最終的に達成したい状態

単に数字を上げるだけでなく、いつまでに・どのような状態を目指すかを決めます。

結果へ影響する業務プロセス

顧客からの相談・見積・受注・発注・納品など、成果へ至る流れを整理します。

現在取得できるデータ

売上・仕入・案件・見積など、どの情報がどこにあり、どの程度の精度で取得できるかを確認します。

数字を見て誰が何を判断するか

経営者・管理者・担当者の誰が確認し、問題があった際にどの行動を決めるかを明確にします。

中小企業のKPI設計で起こりやすい8つの失敗

KPI設計の失敗は、数字を増やしすぎる・行動につながらないことに集約されます。

01

測定できる数字を何でもKPIにする

取得しやすい数字と、経営判断に必要な数字は同じとは限りません。

02

指標の数を増やしすぎる

多くのKPIを追うと入力・集計・確認に時間がかかり、重要な問題が見えにくくなります。

03

売上だけを追い、粗利を確認しない

売上が大きくても、仕入価格・値引き・送料などで十分な利益が残らない場合があります。

04

現場が動かせない数字を設定する

担当者の行動では変えられない外部要因だけをKPIにすると、改善につながりません。

05

集計のための入力負担が大きい

見たい数字を増やすほど現場の入力負担も増えます。既存データを再利用し、二重入力を減らす必要があります。

06

KPIを社員の監視・責任追及に使う

数字が悪い担当者を責めるだけでは正確な情報が登録されなくなります。原因を見つけ、支援するために使います。

07

数字を見ても次の行動を決めない

会議でKPIを確認しても、担当者・行動・期限を決めなければ成果につながりません。

08

一度設定したKPIを見直さない

事業環境・顧客・業務が変われば役立つ指標も変化します。利用されない指標は減らし、新しい課題に合わせて見直します。

販売代理店で検討できるKPI例

以下は一般的な参考例です。すべての販売代理店に適用できるものではなく、自社の経営課題と業務に合わせて選ぶ必要があります。

KPI例 01

見積回答までの日数

依頼から見積提出までの期間です。商品検索・仕入確認・承認など、どこで時間がかかっているかも確認します。

KPI例 02

見積提出後の未対応案件数

次の行動や期限が決まっていない案件を確認します。監視ではなく、対応漏れを防ぎ支援するために使います。

KPI例 03

案件数・受注率・失注理由

受注率だけを追うと難しい案件を避ける行動につながる可能性があります。案件の内容や粗利も合わせて考えます。

KPI例 04

売上・予定粗利・実績粗利

見積時の予定粗利と納品後の実績粗利を分けて確認し、仕入価格の変化や追加費用による差を次回の価格判断に活かします。

KPI例 05

発注漏れ・納期回答待ち件数

発注されていない受注や仕入先から回答がない案件を確認します。顧客へ影響する前に問題を発見するための指標です。

KPI例 06

顧客別・商品別の収益性

顧客や商品カテゴリーごとの売上・粗利を確認します。数字だけで価値を決めず、将来性・関係性・対応負担も確認します。

KPI設計コンサルへ相談できること

コンサルへは、課題整理からKPI選定・集計整備・会議での活用・見直しまで相談できます。

経営課題とKGIの整理

現在の問題と最終的に達成したい状態を整理します。KPIを考える前に、何のための指標かを明確にします。

現在の業務フローと数字の確認

成果へ至る業務の流れ・使用中のExcelやシステム・取得できるデータを確認します。

成果へつながるKPI候補の選定

現場が動かせるか・早めに問題を発見できるか・集計を続けられるかという観点から候補を選びます。

計算方法・更新頻度・責任者の決定

売上・粗利・案件数などの定義・集計する時点・更新担当者を統一します。

データの取得・集計方法の整備

Excel・スプレッドシート・販売管理システムなどに分散した情報を確認し、必要なデータを安定して集計する方法を検討します。

会議での確認方法と改善行動の設計

数字の報告だけで終わらず、原因・次の行動・担当者・期限を話し合う会議へつなげます。

試験運用後のKPI見直し

一定期間利用し、集計負担・判断への有効性・現場への影響を確認します。役立たない指標は減らします。

📋 KPI設計コンサルへ相談するタイミング
  • 売上目標以外に何を見ればよいか分からない
  • 数字を集計しても経営判断に使えていない
  • Excelによる月次集計に時間がかかる
  • 部署や担当者ごとに異なる数字を使っている
  • KPIを設定したが現場に定着していない
  • 会議が数字の読み上げだけになっている
  • システム導入前に必要な数字を整理したい

経営課題・取得するデータ・会議での利用方法を社内で整理できる場合は、必ずしも外部支援が必要とは限りません。

分散したデータを確認し、集計方法を整備しているイメージ

分散したExcelやシステムのデータを確認し、必要な数字を安定して集計できる形にする

KPI設計コンサルの選び方

支援先は、課題起点・現場負担への配慮・指標を絞る姿勢・運用支援で見極めます。

選び方 01

経営課題から指標を考えるか

一般的なKPI一覧をそのまま当てはめず、自社が解決したい問題から設計する相手を選びます。

選び方 02

現場の業務と入力負担を確認するか

見たい数字だけでなく、誰がどのようにデータを登録するかを確認する必要があります。

選び方 03

指標を増やしすぎないか

最初は少数のKPIで試し、必要に応じて追加・削除できる進め方が適しています。

選び方 04

特定のツールありきで提案しないか

Excelで十分な場合もあります。ダッシュボードや特定システムを先に勧めず、課題から方法を選ぶか確認します。

選び方 05

会議と改善行動まで支援するか

数字を表示するだけでなく、会議で何を確認し次の行動をどう決めるかまで扱う支援会社が適しています。

選び方 06

小さく試して指標を見直せるか

一定期間の試験運用を行い、役立たない指標を変更できるかを確認します。

選び方 07

会計・税務上の数字と管理指標を区別するか

予定粗利などの管理指標と会計・税務上の数字は目的や確定時期が異なる場合があります。税理士など専門家へ確認する姿勢が重要です。

選び方 08

経験・実績を正確に説明するか

顧客企業への支援実績と、代表者が前職で行った社内改革を区別しているかを確認します。

KPIを運用する6つのステップ

KPIは、課題を一つ決め、少数の指標から会議で使うことで定着します。

STEP1

解決したい経営課題を一つ決める

売上不足・粗利低下・対応遅れなど、最初に扱う問題を具体化します。

STEP2

KGIとKPIの関係を整理する

最終成果と、その前段階で確認する指標のつながりを考えます。

STEP3

最初に確認する指標を絞る

重要性・取得のしやすさ・現場が動かせるかを考慮し、少数から始めます。

STEP4

データ取得方法と更新責任者を決める

定義・情報源・更新頻度・担当者を明確にします。

STEP5

会議で原因と次の行動を話し合う

目標との差がある場合は背景を確認し、具体的な行動・担当者・期限を決めます。

STEP6

役に立たない指標を見直す

経営判断に使われない・入力負担が大きい・行動につながらない指標は変更・廃止します。

少数のKPIをダッシュボードで見える化しているイメージ

見栄えより、先に数字の定義と利用目的を決めることが見える化の前提

KPIを見える化する方法と扱う際の注意点

見える化の手段は複数あります。どの方法でも、先に数字の定義と利用目的を決めなければ、見栄えのよい画面を作っただけで終わります。

方法 01

Excel・スプレッドシート

指標数や利用者が少なく複雑な権限・履歴が不要なら有効です。最初の試験運用にも利用できます。

方法 02

GASによる転記・集計の自動化

Googleスプレッドシートなどを使う業務では、データの転記・集計・通知を自動化できる場合があります。

方法 03

kintoneなどの業務アプリ

顧客・案件・売上などの日常業務データとKPIを関連付け、複数人で共有します。

方法 04

既製の販売管理・BIシステム

現在のデータや標準業務に合えば、安定した集計や表示を行える可能性があります。必要な連携と費用を確認します。

方法 05

自社向け経営ダッシュボード

複数のデータを独自の切り口で表示する必要がある場合に検討します。開発や保守の負担も考慮します。

方法 06

まず定義と目的を決める

ツール選定より先に、何を・いつの時点で集計し、誰がどの判断に使うかを決めます。

⚠ KPIを扱う際の注意点
  • 売上・粗利などの定義を統一する(何を含め、いつの時点で集計するか)
  • データ取得時点と更新頻度を決める(日次・週次・月次のどこまで必要か)
  • 予測値(受注確度・売上予定・予定粗利)と確定値を混同しない
  • 個人の順位付けだけに使用しない(背景を確認し支援や改善へ)
  • 数字だけで顧客や案件の価値を判断しない(将来性・関係性も考慮)
  • 会計・税務判断は必要に応じて税理士などの専門家へ確認する

AI経営革新株式会社がKPI設計を支援できる理由

代表である私は、従業員約20名のオフィス家具代理店で、取締役として会社改革と経営企画を経験しました。前職では、顧客別・担当者別・商品カテゴリー別の売上・粗利・予実を見える化し、経営判断に利用できる仕組みづくりに取り組みました。会議体の整備や経営方針づくりにも関わりました。

また、知識ゼロからkintoneを学び、3年間で400以上の業務改善アプリを社内向けに自作しました。これは顧客企業へ400件導入した実績ではなく、前職の社内改革で自作したアプリ数です。

📌 ツール導入ありきで提案しない

私たちは、ダッシュボードや特定のツールの導入ありきで提案しません。Excel・GAS・kintone・既製システムなどから、経営者が必要とする数字と、現場が無理なく登録できる方法を検討します。KPIを作るだけでなく、会議で問題の原因と次の行動を決め、役立たない指標を見直す運用まで一緒に整理します。前職での社内実践を、顧客企業へのKPIコンサル実績として表現することはありません。具体的な支援範囲は、無料相談で現在の課題とデータを確認して判断します。広島県を中心とした中国地方では訪問を交えた支援が可能で、その他の地域もオンラインで対応しています(当社はサイボウズ社の公式パートナーではありません)。

よくある質問

Q何をKPIにすべきか分からなくても相談できますか?
A

はい。現在の経営課題・最終的に達成したい状態・業務の流れを確認し、最初に見るべき指標を整理します。

QKPIはいくつ設定すべきですか?
A

会社や課題によって異なります。最初から多く設定せず、会議や判断で実際に使える少数の指標から始めます。

Q現在のExcelを残したまま始められますか?
A

業務によっては可能です。現在取得できるデータと集計方法を確認し、Excelやスプレッドシートで試験運用する方法もあります。

Q売上や粗利をリアルタイムで確認できますか?
A

使用中のシステム・データの確定時期・必要な連携によって異なります。完全なリアルタイム性が必要かも含めて判断し、予定値と実績値は分けて管理します。

QKPIを人事評価に使用できますか?
A

参考情報として利用できる場合はありますが、単一のKPIだけで評価すると数字のための行動や不公平感につながる可能性があります。役割や定性的な要素も含め、必要に応じて人事の専門家へ相談してください。

まとめ|KPIは数字を増やすためではなく次の行動を決めるために使う

この記事のポイント
  • KPI設計で重要なのは多くの数字を管理することでなく、経営課題から必要な指標を少数選び、問題を早く発見し次の行動を決めること
  • 売上は結果。案件・見積後の対応・発注や納期など、成果へ至る途中の状態を確認すれば結果が出る前に支援・改善できる
  • KGI(最終成果)・KPI(途中の指標)・行動目標(実際の活動)の関係を整理する
  • 設定前に、課題・目指す状態・業務プロセス・取得できるデータ・誰が何を判断するかを整理する
  • 失敗は、何でもKPI化・増やしすぎ・粗利を見ない・現場が動かせない・入力負担・監視に使う・行動を決めない・見直さない
  • 支援会社は、課題起点・現場負担の確認・指標を絞る・ツールありきでない・会議と行動まで・小さく試す・会計税務との区別・実績の正確さで選ぶ
  • 予測値と確定値を分け、監視でなく支援に使い、会計・税務は専門家へ確認する

中小企業のKPI設計で重要なのは、多くの数字を管理することではありません。経営課題から必要な指標を少数選び、問題を早く発見し、次の行動を決めることです。売上や粗利だけでなく、案件・見積後の対応・発注や納期など成果へ至る途中の状態を確認することで、結果が出る前に支援や改善を行えます。KPIは社員の監視や責任追及だけに使わず、数字の背景を確認し、業務を改善するために利用しましょう。また、役に立たない指標を定期的に見直すことも必要です。「売上目標以外に何を見ればよいか分からない」「数字を集計しても経営判断に使えていない」「KPIを設定したが現場に定着しない」という場合は、KPI設計コンサルへ相談することも選択肢です。私たちは、販売代理店で売上・粗利・予実を見える化し、経営と現場の双方で利用してきた経験をもとに、自社の経営課題に必要な指標と運用方法を一緒に考えます。まずは無料相談で、現在確認している数字と判断に困っていることをお聞かせください。

※kintoneは、サイボウズ株式会社の登録商標です。

CONTACT

「売上目標以外に何を見れば
いいか分からない」を、
必要な指標から整理しませんか

経営課題とKGIの整理から、成果へつながるKPI候補の選定、計算方法と更新責任者の決定、分散データの集計整備、会議での改善行動の設計、試験運用後の見直しまで、販売代理店で売上・粗利・予実を見える化した経験をもとに伴走します。ツールありきにせず、Excel・GAS・kintone・既製システムも比較。広島・中国地方は訪問、その他は全国オンライン対応。まずは無料相談から。

無料で相談する

あわせて読みたい関連記事

中小企業の実務に役立つ注目記事

前の記事
業務マニュアル作成支援とは?属人化を防ぎ、現場で使われる手順書の作り方
次の記事
中小企業の経営ダッシュボード構築支援とは?売上・粗利・KPIを見える化する方法
経営・業務改善コンサル ガイド AI活用のヒント一覧に戻る
\ 無料相談受付中 /

AI・業務改善、何から始めるか
一緒に整理しませんか?

記事を読んで「自社の場合はどうだろう?」と感じたら、まずは無料相談へ。現場を知る代表が、御社に合った最初の一手を一緒に考えます。

無料で相談する