受注残とは
受注残とは、顧客から正式に受注したものの、まだ納品やその他の完了条件を満たしていない数量・金額です。会社の業務によって、受注残に含める状態は異なります。
- 未発注
- 発注済み・仕入先回答待ち
- 入荷待ち
- 納品予定
- 一部納品
- 顧客都合による保留
重要なのは、社内で受注残の定義を統一することです。受注残は、商談中の受注見込みとは異なります。まだ受注していない案件を含めると、確定済みの未完了分と将来予測を区別できません。また、受注残の管理と会計上の売上計上は同じではありません。売上を計上する時期や税務上の判断は、契約や会計方針に基づき、税理士などの専門家へ確認してください。
Excelによる受注残管理で起こりやすい問題
Excelでも受注残を管理できますが、案件数や分納が増えると、別ファイルの照合・一部納品の扱い・数量と金額の不一致・更新の属人化・古い案件の滞留で問題が起こります。
受注・発注・納品情報が別ファイルにある
受注一覧・発注一覧・納品一覧が分かれていると、各ファイルを照合しなければ受注残を計算できません。同じ案件番号や商品コードが使われていなければ、照合にも時間がかかります。
一部納品を完了扱いにする
案件単位で完了状態を持たせると、一部の商品や数量が未納でも案件全体が完了に見えることがあります。商品・明細単位で残数を確認する必要があります。
受注残数量と金額が合わない
数量変更・キャンセル・返品・価格変更などを反映していないと、一覧の残数や金額が実態と一致しません。
更新が担当者に依存する
営業担当者だけが案件の状況を知り、Excelの更新が遅れると、会社全体の受注残を正しく把握できません。
古い案件が残り続ける
完了条件や確認日が決まっていないと、長期間動いていない案件が一覧に残ります。受注残が大きく見えても、実際にはキャンセルや処理漏れが含まれている可能性があります。
Excel管理が適しているケース
次のような場合は、Excelで受注残を管理できることがあります。Excelを利用していること自体が問題ではありません。
案件数と明細数が少ない
一覧で全体を見渡せる規模であれば、表でも管理できます。
分納や受注後の変更が少ない
納品が一回で完了し、数量変更が少なければ、残数の計算もシンプルです。
一つの共有ファイルを利用している
同じファイルを全員が見ていれば、版の食い違いが起きにくくなります。
更新担当者と確認者が明確である
誰が更新し、誰が確認するかが決まっていれば、更新漏れを防ぎやすくなります。
商品・明細単位で残数を管理できる
案件単位ではなく、商品・明細ごとに未納数量を確認できる表になっています。
完了条件と状態の定義が統一されている
現在の表で正確に更新でき、会議や日常業務で活用できているなら、無理に別のシステムへ移行する必要はありません。
管理したい受注残情報
受注残管理では、顧客/案件/受注番号・商品/受注数量/金額・発注済み/未発注数量・納品済み/未納数量・受注残金額・納品予定日/担当者・停滞理由/次の対応を管理します。
顧客・案件・受注番号
どの顧客の、どの案件・受注に関する残数かを識別します。発注や納品と照合できる共通番号を使います。
商品・受注数量・受注金額
商品・型番・受注数量・単価・金額を明細単位で管理します。
発注済み数量・未発注数量
受注した数量のうち、どこまで発注済みかを確認します。未発注は、仕入先未定・確認待ちなどの理由も残します。
納品済み数量・未納数量
累計納品数量と、現在の有効な受注数量との差を確認します。
受注残金額
未納数量に基づいて、未完了分の金額を計算します。値引きや数量変更がある場合は、どの単価を使うかを統一します。
納品予定日・担当者 / 停滞理由・次の対応
次の予定と、誰が対応するかを記録します。入荷待ち・顧客都合・仕様確認など、なぜ残っているのかも残します。一覧を見るだけで終わらず、次の対応と期限を決めることが重要です。
受注残の状態を分ける
受注残を一つの状態で管理すると、何が止まっているか分かりません。状態の名称より、各状態の完了条件を明確にすることが大切です。たとえば、次のように分けます。
未発注
受注済みですが、仕入先への発注が完了していない状態です。
発注済み・回答待ち
正式に発注したものの、受付や納期回答を待っている状態です。
入荷待ち
仕入先の回答を受け、商品入荷を待っている状態です。
納品予定
顧客と納品日・数量を調整済みの状態です。
一部納品
受注数量の一部を納品し、残数がある状態です。
顧客都合の保留
顧客の受入日や工事の都合などで、納品を保留している状態です。
完了・キャンセル
残数がなくなった、または正式にキャンセル処理を完了した状態です。
販売代理店における活用イメージ
販売代理店では、一つの案件に複数の商品と仕入先が含まれる場合があります。活用イメージとして、次のような管理が考えられます。
受注登録から完了確認までの流れ
- 受注した商品と数量を明細単位で登録する
- 発注済み・未発注の数量を確認する
- 仕入先回答と納品予定を記録する
- 分納後に累計納品数量と未納数量を更新する
- 未発注・入荷待ち・顧客都合などの停滞理由を登録する
- 営業・事務・管理者が同じ一覧を確認する
- 長期滞留案件について次の対応を決める
- すべての明細が完了したら案件全体を完了にする
経営者や管理者は、受注残金額だけでなく、期限超過や停滞理由も確認します。これは活用イメージです。大きな受注残が必ずよい状態を示すわけではなく、納期問題・採算悪化・キャンセルリスクも確認する必要があります。
明細単位で受注・発注・納品の数量を照合し、営業・事務・管理者が未納数量と停滞理由を同じ一覧で確認する
受注残を確認する会議・運用
受注残は、一覧を作るだけでなく会議や日常運用で確認し、次の対応を決めることが重要です。
期限超過・長期滞留を確認する
一定期間更新がない案件や、納品予定日を超えた明細を確認します。
担当者と次の対応を決める
仕入先への確認・顧客との調整・キャンセル判断など、次に行うことと期限を決めます。
確認状況を共有する
営業が顧客へ何を伝え、事務が仕入先へ何を確認したかを共有します。
数字だけでなく理由を見る
受注残金額の増減だけでなく、未発注・入荷待ち・顧客都合などの内訳を確認します。
完了条件を統一する
納品・検収・請求など、会社が何をもって業務上の完了とするかを明確にします。会計上の売上計上時期とは分けて整理してください。
管理方法を改善する選択肢
受注残管理は、案件数・分納の多さ・既存システムに応じて方法を選びます。詳細な案件までたどれる設計が重要です。
Excel・Googleスプレッドシート
明細単位の数量・状態・担当者・更新日を管理します。Googleスプレッドシートでは複数人で共有できますが、誤更新や権限設定に注意が必要です。
kintoneなどの業務アプリ
案件・受注明細・発注・納品・状態を関連付け、受注残一覧を作成できます。(※kintoneはサイボウズ株式会社の登録商標です)
販売管理・受発注システム
現在利用しているシステムに、受注残や出荷残の機能があるかを確認します。
経営ダッシュボード
受注残金額・停滞状態・担当者別の件数などを経営・管理側へ表示します。
自社向けWebアプリ
独自の状態管理や複雑な業務がある場合に検討します。
受注残金額・停滞状態・担当者別の件数を表示し、詳細な案件までたどれるように設計する
システム化で失敗する原因
仕組み化しても、案件単位の完了判定・履歴の未記録・返品の未考慮・金額定義の曖昧さ・更新担当の未設定・対応の未決定があると受注残を正しく追えません。
案件単位で完了判定する
一部の明細だけ未完了でも、案件全体が完了に見えます。
数量変更の履歴を残さない
受注数量を上書きすると、当初の内容と変更理由を確認できません。
返品・キャンセルを考慮しない
有効な受注数量と完了条件を更新するルールが必要です。
受注残金額の定義が曖昧である
税込・税抜・値引き・変更後単価など、計算方法を統一します。
更新担当者を決めない
営業・事務のどちらが、どの状態を更新するかを明確にします。
一覧を見るだけで対応を決めない
会議や日常運用で、担当者と次の期限を決めます。
導入の進め方
いきなり全案件を対象にせず、棚卸し→定義と計算方法の統一→主要案件で試す→滞留・未更新の検証→関連業務へ連携の順で進めます。
現在の受注残一覧を棚卸しする
長期滞留・完了済み・キャンセル済みの案件を確認します。
定義と計算方法を統一する
受注残へ含める状態・完了条件・数量や金額の計算方法を決めます。
主要案件から試験運用する
一部の担当者と案件で、更新負担や状態の分かりやすさを確認します。
滞留・未更新を確認する
通知や会議で、次の対応を決められるかを検証します。
関連業務へ連携する
発注・分納・納品・請求管理へ段階的につなげます。
AI経営革新株式会社が対応できること
AI経営革新株式会社では、現在の受注残表・受注・発注・納品の管理方法を確認し、数量や金額が合わなくなる原因を整理する支援に対応しています。明細単位で、受注数量・発注済み数量・納品済み数量・残数・状態・停滞理由を管理する仕組みを設計します。現在のExcelを改善する方法・GoogleスプレッドシートとGAS・kintone・販売管理システム・経営ダッシュボードなどから、会社に合う方法を比較します。
また、受注残を会議や経営判断で活用し、担当者と次の対応を決める運用も一緒に整理します。
代表は前職のオフィス家具代理店で、営業担当者へのヒアリングや現場同行を通じて、案件・見積・帳票などの社内業務改善に取り組みました。これは前職での社内改革経験であり、AI経営革新株式会社として受注残管理システムを顧客企業へ導入した実績や成果を示すものではありません。
現在の受注残表・状態の定義・更新方法・会議での確認内容を伺い、未納品・未処理案件を正確に把握する仕組みを整理する
よくある質問
異なります。受注残は正式に受注した未完了分であり、受注見込みはまだ確定していない商談を含みます。確定済みの未完了分と将来予測は分けて管理します。
必ずしもそうではありません。将来の納品予定がある一方、長期滞留・納期問題・採算悪化が含まれていないかを確認します。
受注明細ごとに累計納品数量を記録し、有効な受注数量との差を未納数量として管理します。
受注残の業務管理と会計上の売上計上は異なります。売上計上時期は、契約や会計方針に基づき、税理士などへ確認してください。
まとめ|明細単位で数量・状態・理由を確認する
- 受注残は「受注済みで、まだ完了条件を満たしていない数量・金額」。社内で定義を統一する
- 案件単位で完了判定せず、商品・明細単位で受注・発注・納品の数量を照合する
- 未発注・入荷待ち・納品予定・一部納品・顧客都合・完了など、状態を分けて管理する
- 受注残金額を将来売上やよい状態と決めつけず、停滞理由や期限超過の内訳も確認する
- 方法はExcel・GAS・kintone・販売/受発注システム・ダッシュボード・Webアプリから比較する
- 一覧を作るだけで終わらせず、会議や運用で担当者と次の対応・期限を決める
受注残管理では、会社全体の未完了受注を、数量・金額・状態・停滞理由で確認することが重要です。案件単位で完了判定せず、商品・明細単位で受注・発注・納品の数量を照合します。また、受注残金額を将来売上やよい状態と決めつけず、未発注・入荷待ち・顧客都合・長期滞留などの内訳も確認しましょう。私たちは、現在の受注残表・状態の定義・更新方法・会議での確認内容を伺い、未納品・未処理案件を正確に把握する仕組みを一緒に整理します。「受注残の数量や金額が合わない」「古い案件が一覧に残り続けている」という場合は、無料相談をご利用ください。