業務システム化

未請求を管理するシステムとは?
請求漏れを防ぐ仕組みの作り方

2026年6月23日 約18分で読めます AI経営革新株式会社
納品済みで請求できる案件と、検収待ちで請求できない案件を区別して未請求を管理しているイメージ

商品を納品したのに、請求できていない案件はありませんか。請求漏れというと経理担当者の確認不足を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、受注・納品・検収・請求の情報が部署ごとに分かれ、「請求してよい状態」になったことが経理へ伝わっていないケースもあります。

販売代理店では、分納・仕入先からの直送・設置作業・顧客による検収などがあり、受注しただけでは請求できないことも少なくありません。取引条件も顧客ごとに異なります。こうした課題の改善に役立つのが未請求管理システムです。この記事では、未請求を管理する仕組みの役割・必要な情報・販売代理店における活用イメージ・請求漏れを防ぐ運用の作り方を解説します。

未請求管理システムとは

未請求管理システムとは、受注後の案件について、請求条件を満たしているにもかかわらず、まだ請求処理が完了していないものを把握する仕組みです。単に請求済みかどうかを記録するだけでなく、受注・納品・検収・請求という一連の流れをつなぎ、現在どこで処理が止まっているかを確認できる状態を作ります。

📋 一覧で把握したい案件の例
  • 納品済みだが請求書を発行していない案件
  • 顧客の検収待ちで請求できない案件
  • 分納中のため一部だけ請求できる案件
  • 請求書は作成済みだが送付確認ができていない案件
  • 長期間、未請求のまま残っている案件

重要なのは、「未請求」という一つの状態だけで管理しないことです。請求できるのに処理されていない案件と、検収待ちなどの理由があって請求できない案件を区別すると、次に必要な対応が明確になります

請求書作成・入金管理との違い

名前の似た仕組みと役割を混同しないよう、違いを整理しておきます。

請求書作成との違い

請求書作成は「作る・送る」を効率化する

請求書作成システムは、請求書の作成・送付・保存などの効率化が主な目的です。一方、未請求管理の役割はどの案件を・いつ・いくら請求すべきかを把握すること。請求書を簡単に作れても、対象案件が経理へ正しく伝わらなければ請求漏れは防げません。

入金管理との違い

入金管理は「請求後」を確認する

入金管理は、請求した金額が期日までに入金されたかを確認する業務です。未請求管理はその前段階にあたります。未請求は「まだ請求していない状態」、未入金は「請求したが入金されていない状態」。請求前と請求後で管理を分けます。

Excelによる未請求管理で起こりやすい問題

Excelでも未請求案件を管理できますが、受注や納品の情報が別台帳にあると転記と照合が必要です。案件数や取引条件が増えるほど、表の作成より正確な更新を続けることが難しくなります。

01

納品完了が請求担当者へ伝わらない

営業や事務が納品完了を把握していても、経理へ情報が届かなければ請求処理は始まりません。口頭やメールだけの運用では、不在や繁忙期に連絡が埋もれます。納品完了の記録と請求担当者への引き継ぎを一つの流れとして設計する必要があります。

02

分納や検収後請求への対応が複雑になる

分納の場合、全量納品後に一括請求するのか、納品分だけ請求するのかで管理方法が変わります。設置作業や顧客の検収が完了してから請求する取引もあり、単純な納品済み・未納品だけでは請求可能か判断できません

03

複数の台帳を照合する必要がある

受注管理表・納品管理表・請求書一覧が別々だと、月末に複数ファイルを見比べる作業が発生します。受注番号や案件名の表記が統一されていないと、同じ案件かの確認にも時間がかかり、転記漏れや金額不一致も発見しにくくなります。

04

担当者の記憶に依存する

「来月まとめて請求する」「追加工事が確定するまで待つ」といった例外を担当者だけが覚えている状態は危険です。休みや異動で、保留理由や次の対応が分からなくなります。例外的な案件ほど理由と期限を記録します。

未請求管理に必要な情報

自社に必要な項目は取引条件によって異なりますが、基本的には受注・顧客/納品・検収/請求/未請求理由と次の対応を整理します。

受注・顧客に関する情報

受注番号・案件番号・顧客名・営業担当者・請求担当者・受注日・受注金額。案件を特定する共通番号で、受注・納品・請求の情報をひも付けます

納品と検収に関する情報

納品予定日・納品実績日・検収日・納品済みの数量や金額・未納の数量や金額。納品日と検収日を分けて管理すると、届いているが請求条件を満たしていない案件を区別できます

請求に関する情報

請求予定日・請求済み金額・未請求金額・請求書発行日・送付状況・顧客の締日や請求条件。受注金額から請求済みを差し引くだけでは、返品・値引き・追加注文を正確に反映できない場合があり、計算方法と修正手順も決めます。

未請求理由と次の対応

検収待ち・追加工事の完了待ち・顧客との金額確認中・社内承認待ち・次に対応する担当者・対応期限。理由と対応期限があれば、一覧を眺めるだけでなく処理を前へ進められます

販売代理店における活用イメージ

例えば、オフィス家具代理店が机や椅子の納品と、間仕切りの設置工事を含む案件を受注したとします。商品は複数メーカーから届き、一部は先に納品されるかもしれません。設置作業が別日になる場合や、作業完了後に顧客の確認を受けてから請求する場合もあります。このとき受注金額だけを見ても、現在請求できる金額は分かりません。納品と検収の状況を案件や明細にひも付け、次のように確認できる仕組みが必要です。

案件を開くだけで確認できる状況

  1. すべての納品と設置が完了し、請求できる案件
  2. 一部納品済みで、分割請求の対象になる案件
  3. 顧客の検収を待っている案件
  4. 追加作業の金額が確定していない案件
  5. 請求処理が完了した案件

営業・事務・経理が同じ情報を確認できれば、経理が毎回営業へ問い合わせる負担を減らせます。営業側も、請求を止めている理由や顧客への確認事項を共有できます。

営業・事務・経理が請求できる案件と検収待ちの案件を同じ画面で確認しているイメージ

納品と検収の状況を案件・明細にひも付け、営業・事務・経理が請求できる案件と保留中の案件を同じ画面で確認する

当社代表は、前職のオフィス家具代理店で営業を直接担当していたわけではありません。一方で、営業担当者の補助として現場へ同行し、業務改善アプリを作る際に実際の業務や困りごとをヒアリングしてきました。ここで紹介している内容は特定企業への導入実績ではなく、販売代理店における活用イメージです。

請求漏れを防ぐ運用の作り方

仕組みを入れるだけでは請求漏れは防げません。条件の明確化→通知→定期確認→期限設定の運用をあわせて作ります。

STEP1

請求可能になる条件を明確にする

納品完了・顧客の検収完了・設置工事の完了・月末締めなど、どの時点で請求できるのかを取引パターンごとに整理します。営業・事務・経理で認識をそろえることが出発点です。

STEP2

納品完了時に請求担当者へ通知する

納品や検収の完了時に請求担当者へ自動通知すれば、口頭連絡への依存を減らせます。ただし通知が多すぎると見落とされるため、請求可能になった案件や期限超過など対応が必要なものに絞ります。

STEP3

未請求一覧を定期的に確認する

週次や月次で未請求一覧を確認し、長期間残っている案件の理由を確認します。金額・経過日数・担当者で絞り込めると、優先順位を付けやすくなります。

STEP4

長期間残る案件に期限を設定する

請求できない理由がある案件にも、次回の確認日や対応期限を設定します。「顧客確認中」という記録だけでは処理が進みません。誰が・いつまでに・何を確認するかまで決めて放置を防ぎます。

システム導入前に整理するポイント

仕組みを作る前に、取引条件の違い・変更や例外の扱い・既存システムとの役割・会計上の判断を整理しておきます。

取引条件の違いを洗い出す

一括請求・分割請求・月締め請求・検収後請求など、自社で使われている条件を整理します。すべてを最初から自動化せず、件数が多く請求漏れへの影響が大きい取引から優先します。

変更や例外の扱いを決める

値引き・返品・追加工事・契約変更が発生した場合に、誰が金額を修正し、誰が確認するかを決めます。変更履歴を残せば、受注金額と請求金額が異なる理由を後から確認しやすくなります。

既存システムとの役割を分ける

販売管理や会計システムを使っている場合は、新しい仕組みが本当に必要かを確認します。既存の機能や設定の見直しで対応できる場合もあり、どのシステムを正しい情報の基準にするかを決めて重複入力を減らします。

会計上の判断とは分けて考える

業務上の納品完了・請求可能な時点・会計上の売上計上時期が常に一致するとは限りません。本記事で扱うのは請求対象を漏れなく業務処理へつなぐための管理です。収益認識や税務上の取り扱いは顧問税理士などの専門家へ確認してください。

自社に合った未請求管理の方法

未請求管理の改善は、専用システムの導入だけではありません。製品を先に選ばず、受注から請求までの流れを確認してから方法を選ぶことが大切です。

方法 01

Excel・Googleスプレッドシート

案件数が少なく請求条件も単純なら、現在のExcelへ共通の案件番号・請求予定日・未請求理由・対応期限などを追加し、更新ルールを統一する方法があります。

方法 02

kintoneなどの業務アプリ

複数部署での同時確認・納品完了時の通知・担当者別の一覧・期限超過の表示が必要な場合に活用できます。(※kintoneはサイボウズ株式会社の登録商標です)

方法 03

販売管理・請求書作成サービスとの連携

販売管理システムや請求書作成サービスと必要な情報を連携できれば、転記をさらに減らせます

大切なのは、製品を先に選ぶことではありません。現在の受注から請求までの流れを確認し、どこで情報が止まり、どの照合作業に時間がかかっているかを特定します。まずは一つの部署や取引パターンから始め、運用しながら項目や通知を調整する方が、現場に定着しやすくなります。

未請求金額・経過日数・担当者で絞り込み、PCの前で未請求一覧を確認しているイメージ

未請求金額・経過日数・担当者で絞り込み、長期間残る案件の理由と次の対応を一覧で確認する

相談先を選ぶポイント

未請求管理は受注・納品・請求とつながります。請求条件の違いを理解し、製品ありきで進めない支援先を選びましょう。

✓ 相談先を選ぶときの確認ポイント
  • 請求できる案件と請求できない案件を区別できるか
  • 分納・検収後請求など取引条件の違いを整理できるか
  • 受注・納品・請求を共通番号でひも付けられるか
  • 製品を先に決めず、業務の流れから検討するか
  • 既存システムとの役割分担・連携を考えられるか
  • 小さく始めて運用しながら調整する進め方に対応するか

AI経営革新株式会社が対応できること

AI経営革新株式会社では、現在のExcelや業務フローを確認し、受注から納品・請求までの情報をどのようにつなぐべきか整理します。新しいシステムの導入ありきではなく、既存の仕組みを活かせる部分と見直すべき部分を一緒に検討します。請求できる案件と、まだ条件を満たしていない案件を区別し、未請求理由と次の対応を明確にする仕組みを設計します。

また、分納・納品・受注残管理とデータをつなぎ、同じ情報の再入力を減らす方法も検討できます。

📌 代表の経験について

代表は前職のオフィス家具代理店で、営業担当者の補助として現場へ同行し、業務改善アプリを作る際には実際の業務や困りごとをヒアリングしてきました。これは前職での社内改革経験であり、AI経営革新株式会社として未請求管理システムを顧客企業へ導入した実績や成果を示すものではありません

ホワイトボードに受注から請求までのフローを描き、情報のつなぎ方を整理しているイメージ

現在のExcel・業務フロー・請求条件を伺い、受注から請求までの情報をどうつなぐか、既存の仕組みを活かして整理する

よくある質問

Q未請求管理と請求書作成システムは何が違いますか?
A

請求書作成は請求書を作る・送る作業の効率化が目的です。未請求管理は、どの案件を・いつ・いくら請求すべきかを把握する仕組みで、請求対象を経理へ確実につなぐためのものです。

Q未請求と未入金はどう違いますか?
A

未請求は「まだ請求していない状態」、未入金は「請求したが入金されていない状態」です。請求前と請求後で管理を分けて考えます。

Q分納や検収後請求はどう扱いますか?
A

納品日と検収日を分けて管理し、どの時点で請求できるかを取引パターンごとに定義します。これにより、届いているが請求条件を満たしていない案件を区別できます。

Q請求可能になった時点で売上計上してよいですか?
A

業務上の請求可能な時点と会計上の売上計上時期は常に一致するとは限りません。収益認識や税務上の取り扱いは、顧問税理士などの専門家へ確認してください。

まとめ|請求できる案件と条件待ちの案件を区別する

この記事のポイント
  • 未請求管理システムは請求書を作る仕組みではなく、受注・納品・検収・請求をつなぎ請求対象を把握する仕組み
  • 「請求できるのに未処理」と「条件があって請求できない」を区別すると、次の対応が明確になる
  • 請求書作成(作る・送る)・入金管理(請求後)とは役割が異なる
  • 請求可能になる条件を明確にし、納品完了を請求担当者へ通知し、未請求一覧を定期確認する
  • 長期間残る案件にも担当者と対応期限を設定し、放置を防ぐ
  • 製品を先に決めず流れを確認。納品完了・請求可能時点・売上計上時期は別で、会計・税務は専門家へ

未請求管理システムは、請求書を作成するだけの仕組みではありません。受注・納品・検収・請求の情報をつなぎ、請求できる案件と、まだ条件を満たしていない案件を区別するための仕組みです。請求漏れを防ぐには、請求可能になる条件が明確か・納品や検収の完了が請求担当者へ伝わるか・未請求金額と未請求理由を確認できるか・長期間残る案件に担当者と対応期限があるか・受注/納品/請求を共通番号で追えるかを確認してみてください。私たちは、現在のExcelや業務フローを確認し、新しいシステム導入ありきではなく、既存の仕組みを活かせる部分と見直すべき部分を一緒に検討します。「月末にならないと未請求案件が分からない」「営業と経理の確認に時間がかかる」という場合は、無料相談をご利用ください。

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